「収納力がモノをいう」~玄関~前編
住宅、特に集合住宅にとって常に問題となっているのが収納不足。
新築分譲マンションでは、WICやSIC、パントリーなど、図面でも現地でも目を引く大型収納をウリにしている例も少なくありません。
とはいえ、専有スペースが決まっている賃貸物件では「大規模なリフォームをするわけにもいかない」「居室スペースが狭くなっては元も子もない」ことは当然のお悩み。
そこで今回は、小さなスペースのちょっとした工夫で、他物件と差別化をはかる方法についてご紹介します。
「狭くても、絶対欲しい靴収納」
靴収納について、まずは単身者やDINKSが多い1R~1LDK物件。
専有面積に比例して玄関土間も狭く、下駄箱を置くと圧迫感が増して悪印象な為、撤去してしまった経験はありませんか?
しかし、洋服同様ファッションの要として靴を大量に持っている若者が多い近年、彼らはお気に入りの靴を飾りたい!という欲求もあるのです。
であれば、見せる収納の提案をしてはどうでしょう。
通常の下足入は箱型になっており、扉等の厚みを入れて奥行40cm程ですが、実際に必要な寸法は男性の大きな靴でも30cm。
棚板だけにすれば約10cmも余ります。さらに、可動棚用のレールと棚板を何枚か用意するだけで費用も抑えられ、ブーツやヘルメット等大きさに合わせて棚の配置を変えられるます。
機能的、かつショップ陳列のような楽しみも付加価値になります。
また、少ししかない凹みを活用できる薄型収納も、最近では通販などで手軽に購入できます。靴を斜めに収納することで収納量は減りますが、収納+カウンターがあると鍵などの小物も置けて便利です。
ファミリー物件では玄関収納はほぼ設置されていると思いますが、床から天井まで扉にすると見た目も土間も狭くなるから・・・といってカウンター収納だけでは容量不足です。
解決策としては、天井までの下足入を壁付けに、圧迫感を軽減する白や明るめの扉面材で付けましょう。
床から20~30cm浮かせると土間が広く見え、脱いですぐ収納したくない靴を置いても邪魔になりません。
さらに予算があれば、その空き部分に照明を仕込み、扉にミラーを付けると、空間を明るく広く見せることが可能です。