素材を知って人気の部屋を作る 美しさと風合いを操る「塗る」技術 ①
100人の女性インテリアコーディネーターIC21です。
DIYから、表装リフォーム、スケルトン・リノベーションまで、内装変更への取り組み方は様々だと思いますが、やはり“人気の賃貸物件をつくりたい”気持ちに変わりはないはず。
そこで、改めて材料とその使い方を知って、保有物件を効果的によみがえらせるための、賃貸内装インテリアのモノ選びのコツを、実例写真を紹介しながら解説します。
「塗り」には2種類ある 塗装・左官工事とは
リフォーム工事における「塗装」とは文字通り、塗料を壁や建具、枠などの材料の表面に塗って加工することです。
塗料には、自然由来の漆や柿渋などもありますが、一般的に使用されているのは合成樹脂塗料で、オイルペイントやオイルステイン、水性ペイントなどが挙げられます。 刷毛やローラー、吹付などの方法があります。
自然素材として人気のある漆喰や珪藻土などは、同じように壁に塗りますが、塗装工事ではなく、「左官」として工事区分されています。 主にコテを使用します。
業者による見積内訳では、それぞれ別項目になっていることもあれば、塗装・左官工事として同じ区分で表記されていることもあります。。
塗料の魅力は色数!
一般的なリフォーム工事における「塗装」工事では、窓や建具の枠をオイルペイントで塗り替えるケースがほとんど。
床や壁・天井のクロスを張り替えてキレイになると、枠など木部の傷や汚れが目立ち部屋の古さを際立ててしまうという理由からです。
既存色と同じ色で塗り替えるだけでもよいのですが、ここはぜひ、塗装で「内装デザインをする!」という気持ちで、色を選んで塗ってみてください。
さまざまな色が選べるのが魅力の塗料。業者には日本塗料工業会の色票番号を伝えるだけで指示できます。
例えば、実例①のように和室を洋室に変える際に長押を残し、部屋のコンセプトに合わせた色を塗って空間のアクセントにする方法。
アートを飾ったり、服をかけたり、と長押本来の機能をそのまま利用できるのも入居者にとっては魅力になるでしょう。
また、ドア交換をするなら、無塗装ドアにして色を選んで塗れば、実例②のような他にはない物件に仕上げることができます。
シェアハウスや寮ならドア色を変えることで個人部屋を区別できるので、より使いやすくなります。
また、壁一面だけを塗装用下地のままにして、入居者が好きな色を塗れる部屋!というコンセプトの物件もいいかもしれません。
その際の塗料は一般の人でも塗りやすい水性ペイントがオススメです。
実例➂のような淡い色に限定しておけば、壁はそのまま次の入居者が塗り重ねてくれますね。
ただ、「色の重ね塗り」には注意が必要です。既存の枠やドア、壁の色が、こげ茶や黒などの濃くて暗い色だった場合には、白などの明るい色や淡い色を塗ることは難しいので注意します。
基本は「明るくて薄い色の上に、暗くて濃い色で塗り替える」です。また、広い面積に色を塗るときも「面積効果」を覚えておくとよいでしょう。
濃くて暗い色を塗るときにはより暗く、明るい色を塗るときはより明るく鮮やかに見えるので、部屋やエントランスなどの共用部の壁一面を塗る際には、気をつけましょう。もちろん、外壁も同じです。
ぬくもりが魅力の塗材
最近は、実例④のようにマグネットが使えるマグネット塗料や、チョークで文字を書ける黒板塗料もでてきており、柱や壁の一部に塗るのは人気です。
ただ、これらはクロスでも実現できるようになったので、すでに物件に取り入れている方も多いでしょう。
そこで塗装ならではの魅力となると、やはり「左官」工事による、コテやローラーなどのぬくもりあるテクスチャー(風合い)といえるでしょう。
。住戸の内装に塗り壁は少ないですが、エントランスなどの共用部にはよく利用します。古いタイルの上から塗材を重ねていき、模様をつけることで、印象をガラッと変えることができます。
次回は、エントランスの実例をご紹介します。
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