IC21のブログ

2016/09/09

賃貸住宅の空室を防ぐ【機能とデザインのバランスのとり方③】

前回に続き、賃貸住宅住宅の空室を防ぐ共用部の工夫

【機能とデザインのバランスのとり方】についてお伝えします。

 

ハード面にはとどまらない、ソフト面での創意工夫が大切

“共有する”という言葉にはデメリットのイメージがつよいのか、実際には「共有スペース」に対して人は夢をあまり抱きません。ところが少し視点を変えてみると、大きなメリットを生みだす可能性が見えてきます。

例えば住居において、内部だけではなく外部の環境を共有すれば、各住戸からは広い庭が望めとても開放的。外へ出れば、そこは自分の庭の延長のような、リラックスできる半パブリック空間となります。

外部空間を“共有する”という発想であれば、小さな土地を細かく仕切りいつもカーテンをさげて暮らす、という現状のくらしぶりは大きく変わるかもしれません。

そうして考えてみると、「共有スペース」は、必要な機能を求めつつも既成概念にとらわれない、自由な発想を可能にします。

空間をシェアすることで、合理的かつ、時間的・精神的にもゆとりが生まれ、人と人とののつながる豊かなくらしを実現できる。

こうした理想のくらしを求める「コミュニティー重視型の賃貸住宅」の共用スペースには、かくあるキノウをみたしつつも、ハード面にはとどまらない、心地よさの追求、自由自在な発想で入居者のくらしのイメージをかきたてるような創意工夫といったソフト面での“しかけ”が求められるのではないでしょうか。

 

花a共用部には花も飾ると会話の糸口に

 

今、コミュニティーのあるくらし方に魅力が集まる理由は、“共に生きたい”と人が本来自然に求める方へと向かっているからでしょうか。とすれば今後、共に生きようとする新しい創造的な関係のなかで、“よい環境を実現し子育てや家事のシェアをはかるコレクティブ”“みなで取り組むエコを実現するコレクティブ”“より豊かに生きたいと願うシニアのためのコレクティブ”そんな互いにシェアする新しいくらしの形態が生まれ、私たちを取り巻く住環境が変わっていく未来も近いのかもしれません。

 

【機能とデザインのバランスのとり方について】は今回で最終回になります。