実例に見る!内覧者にピンとくるデザイン ~賃貸リフォームデザインのポイント~「発想の転換、入居者層を変える」デザインで賃料UP~後篇
IC21のKobayashiです。
今回は賃貸リフォームのデザインのポイント紹介シリーズ、
前編に続き「発想の転換、入居者層を変えるデザインで賃料UP
~外装・共用部」の後編です。
今回の物件は
“「テナント付き3階建てマンション”~デザインで賃料UP~」、
こちらのデザインについて紹介します。
[Step4] デザインする
まずは、面積の大きな床と壁を、
ヴィンテージモダンの雰囲気に合うよう、
ラフな木目調の床とカフェ風の柄入りの壁紙で空間全体を演出。
ダークブラウン系のキッチンや、
グレー系の扉やカーテンで、コントラストを付け、
部分的に空間を引き締めます。
濃いめの色を低い位置に持ってくることで、
空間を広く見せる効果もあります。
さらに、1DKやワンルームの入居者の不満点にあがる“収納”を、
必要なところにそれぞれ確保。
この物件は和室を洋室に変えたので、
押入という大きな収納スペースが魅力の一つ。
ただ、押入のままではコートなど
長い衣類が掛けられず、
クローゼットに慣れた若者には敬遠されてしまいます。
かといって、通常のクローゼットの奥行(約60cm)
に変更してもデッドスペースができるだけ。
押入スペースの奥行(約90cm)を
有効利用するために、ハンガーパイプ2本を、
段差をつけて取り付けます。
こうすることで、一番かさばるハンガー部分の高さがずれて
並列2本のパイプが使いやすくなります。
奥のパイプをオフシーズンの衣類・・・のように使い分けることも可能。
また、バルコニーのないこの物件では洗濯物を干すスペースがありません。
部屋干しをするスペースは、
旧和室の窓際には地板だった部分に、
ポールを取り付けて確保しました。
ちょうど窓もあり日も当たるのでベストボジション。
もう一つの窓下の地袋(収納)も、
襖&引手をインテリアイメージに合うものに変えて、
そのまま残しました。
冬しか使わないブーツやスポーツ用品を
ちょっとしまえるのが魅力です。
キッチンには上下収納をたっぷり設け、
調理器具&食器までも入れられるようにしました。
洗面室には、オシャレなのに収納力もある
洗面化粧台をセレクト。
洗濯機置き場上には吊り戸を。
ランドリーグッズとタオルまでを
収納できるように配慮しました。
トイレにも上部吊り戸をつけて、
トイレットペーパーや掃除用具を隠してしまえるように。
和室を洋室にリノベーションする際に
居室を広くとるために、
押入を小さいクローゼットに変更すること
も多いですが、この物件のように、和室時の収納力を
そのまま維持して使いやすくすることで、
コンパクトな広さでも適材適所の収納と、
通常の洋室にはない+αの収納力を確保でき、
長く住んでもらえる魅力的な1DKにすることができると思います。
[まとめ]
次シリーズもこの物件を続けて紹介します。
細部へのこだわり編として
ちょっとした工夫や機能で、
生活が快適に送れるようにこだわった部分を
見ていきたいと思います。
◆◆◆
次回はこの物件の「こだわりポイント」や、入居者‘s Voiceをお伝えします。