【共用スペースに求めるモノは?】④ Vol 33
こんにちは。IC21です。
今回も引き続き「共用スペースに求めるモノ」についてご紹介していきたいと思います。
共用部分の面積に余裕ができました
2012年9月施行の建築基準法の改正により、集合住宅の共用部分において容積の算定方法が変わったことをご存知でしたか?
特定の箇所の「床面積を一定の範囲内で、容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しないこととする」というものです。
つまり今回の改正で、建築時に容積率を算出する基準としていた延べ面積に空きができ、それにより共用部に新しい展開が生まれる可能性があるということなのです。
それでは“特定の箇所”とは、どのような所なのか、いくつかご紹介します。
(1)防災用の備蓄倉庫が容積不算入
「防災用の備蓄倉庫」とは、災害時に必要な非常用食糧、応急救助物資等を備蓄するための倉庫のことです。そのため「建築物の一部とする場合、壁等により他の用途と明確に区画され、防災用の備蓄倉庫の位置を容易に判別できるよう、見えやすい位置に当該倉庫である旨の表示がなされていること。面積限度:延べ面積の1/50以下」という条件が課されています。さらに、「倉庫には、3日文の飲料水と食料、簡易トイレ、担架、避難・救出用の工具類を常備するのが基本」という条例化もなされています。
(2)蓄電池室「面積限度:延べ面積の1/100以下」
(3)自家発電設備・貯水槽「面積限度:延べ面積の1/100以下」
熊本地震に続き大型地震の予測が各地でされる今、国をあげて様々な防災計画の見直しが必要とされています。
集合住宅の防災に対する危機管理も、入居者にとって大きな問題だと思われます。上記、基準法改正について詳細を確認し、共用部の防災について見直していきましょう。
(4)エレベータ-の昇降路が容積不算入
防災関連施設のほかに、今回の改正で興味深い容積不算入箇所が「エレベータ-の昇降路」です。1フロア1台で約4平米だとして10階建てだと40㎡、フロアに2台あれば80㎡もの余裕ができます。活用法として、
①トランクルームの設置・・・根強い人気のトランクルーム。専有面積の収納力不足を補うことで居住者も満足、物件価値もアップします。
②共用施設の増築してスペースを貸し出す・・・改修予定だった既存の共用部などと合わせて、新たな収益をあげる共用スペースの提案はどうでしょう。
a.エントランスに延長させる
b.屋内駐車場を共用施設スペースに改装
c.新たな建物を空地や屋外駐車場に建設
その際の、新たな共用施設の用途提案として・・・保育園スペースや、若者に人気のシェア店舗・クリエーターによるセレクトショップ、共用カフェ
なども、斬新かつ魅力的なスペース提案だとは思いませんか?