実例に見る!内覧者にピンとくるデザイン ~賃貸リフォームデザインのポイント~「表層リフォームでターゲットを絞り込む」~前編
IC21のKobayashiです。
今回から賃貸物件の物件価値UPへの提案の新シリーズです。
リニューアルして空室改善!とばかりに流行のデザインにしてみても、
退去時の表層リフォームに思い切って費用をかけても、
なかなか入居者が決まらなくてがっかり・・・。
そんなオーナーに、「ターゲット+コンセプト」をもってリフォームデザインをするコツを紹介します。
実例写真や内装選びのポイントとともに、宣伝告知のヒント、
実際のオーナーや不動産会社の声も合わせてお届けします。
“メンズラグジュアリー「大人の男性の上質」”の空間に
物件No.001 北関東近郊住宅地の1LDK
**物件情報**
所在地:茨城県神栖市
構造/築年/規模:RC造3F建/2015年/39戸
リフォーム予算:50万円程度
その他:ペット飼育OK物件
[Step1] 物件を知る
この物件のある地域は北関東有数の工業地帯。
工場勤務者と関連業種勤務者で、賑わいのある土地です。
その中で賃貸住宅、さらにワンルーム~1LDKまでの住居を求めるのは、
圧倒的に単身男性が多く、また2~3年サイクルでの転勤者には、
工場長や管理職系の単身赴任者も結構な割合で含まれるのが特徴とのことです。
工場と住居の往復をする中で、
住居には少しエグゼクティブな雰囲気があったら、
他物件との差別化にもなるのではないか…といった観点で、
ターゲットやコンセプトをかなり絞り込むことになりました。
[Step2] ターゲット&コンセプト
ターゲット:30歳代以上の単身男性
具体的なターゲットイメージは、独身男性で中間管理職を想定したオトナの男性。
ご要望にある「モテ部屋」というともう少し若い世代で、
安くても流行を詰め込んだインテリアを…というイメージがありますが、
今回のターゲット層は、大人の余裕や遊び心のある世代。
実は、インテリアコーディネートをプロに依頼するという人はこの世代に多いのです。
またこの世代の男性には、女性特有の感性や直感よりも、コンセプトがしっかりして、機能性も備えたインテリアが好まれる傾向が。
コンセプトと内装が合致していることに納得すると、物件を選びやすいと考えられます。そこで
コンセプトは「Men’s Luxury 大人の男の上質」
男性が考える「カッコイイ」部屋がイコール「モテ部屋」ではないのは、思いのほかあり得ること。
先述のように、若さゆえの、これでもか! という流行の詰め込みは、逆に引かれてしまいかねません。
そこで、我々女性ならではの目線で、
「こんな部屋に、独りで悠々自適に暮らしている男性は素敵だろう」という内装と、入居者本人がオフの時間を心地良く過ごせるホテルライクで上質なイメージを、省コストで演出するというコンセプトにしました。
次回は実際のデザイン提案についてお伝えします。