テナントリテンションの発想を!~長く住んでもらうための工夫 「居心地のよい賃貸」~色&素材~最終回
IC21のKobayashiです。
10月も終わり、来週からは11月。
今年も年末が近づいてきましたね。
さて、賃貸の物件に長く住んでもらえるには、どうしたらいいか…について
前回に続き今回は
「居心地のいい賃貸~色&素材編」です。
(by:IC21冨田陽子)
「一度決まった入居者に長く住んでもらおう!という発想を手助けできる工夫を連載したシリーズも、いよいよ最終編。
第一印象に直結する色&素材にアプローチし、住みやすさをテーマについて具体的にお伝えしていきます。
◆多くの人に好まれる!ナチュラルなインテリアスタイルでリラックスできる空間に
賃貸住宅でもコーディネートしやすく根強い人気のひとつに、北欧スタイルがあります。
ホワイトやライトブラウンを基調に設えられ、透明感と明るさがその魅力です。
機能美に裏打ちされたシンプルなデザインは日本のZENスタイルと共通する美意識もあり日本の住宅とも非常に相性が良いです。
近年人気のラスティックスタイルは、荒削りな木の質感やレンガや石の素朴な感じが、肩の凝らないあたたかみある居心地よさにつながるのでしょう。
自然素材の経年変化が魅せる表情がこのスタイルの魅力です。
また、オフホワイトとグレイッシュトーンでまとめられるシャビーシックスタイルも近年女性に人気があります。エレガントでありながらも気取らないやわらかな空間が魅力です。
これらのインテリアスタイルは、改修の際のクロス工事でも手軽に実現する事が出来ます。
タイル調や木目調、レザー調など素材感があり以前より色や質も豊富なビニールクロスも多数。はっきりとしたカラーのアクセントクロスに比べ、好き嫌いが出にくく、賃貸物件向きとも言えますね。
昨今、名作とされる北欧家具はリプロダクト(復刻版)が生産され安価で入手しやすくなっています。
アイコニックなチェアや照明を1点配置するだけでも印象的なシーンに。1点から、ステージングにチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
◆リゾートに学ぶ居心地の計画 / 素材を意識する
バリやタイなどのアジア、ハワイのヴィラのように、豊かな植物や水に囲まれたリゾート地でのインテリアスタイルはその素材にこだわりを置く事が必至です。
壁や天井の一面を自然素材のものに変えるだけでリゾート感は高まります。
素材は、木材の他ラタンやバンブー、麻やウォーターヒヤシンスなどの天然のものを。
また、手軽なプリントのビニールクロスなどでも、モチーフパターンのあるものを選ぶと空間にダイナミックで華やかな印象を生み出すことができます。
「海岸風」を指すコースタルスタイルは、アメリカ西海岸や地中海のヴィラなどその地により様々。
シンプルで明るく快適、そして涼しげで開放感あるイメージがキーポイントで白をベースに展開するインテリアになります。
白壁と白系木目にブルーやグリーンのタイルなどの海を彷彿させる色や素材を控えめにアレンジするのがインテリアのエッセンスに。オーガニックでヘルシーなさわやかさが、ちょっとリッチな気分の休日を演出してくれそうです。
演出によって、住まう楽しさとそのイメージを提供することにつながりますね。手軽なことからでもぜひ取り入れて、契約促進と顧客満足につながる嬉しさをひろげてください。
* ステージング・・・販売促進のために家具や照明などのインテリアを配置すること。
筆者:冨田陽子
インテリアデザイン事務所にて住宅のモデルルームに多く携わった後、フリーランスに転身。
現在は+COCOCHI代表。個人邸、集合住宅・戸建住宅のモデルルーム、店舗内装デザイン、民泊などにおいてインテリアコーディネート、ホームステージングを行っています。