テナントリテンションの発想を!~長く住んでもらうための工夫 「居心地のよい賃貸」~間取り~第1回
IC21のKobayashiです。
肌寒い日が増えてきましたね。
寒がりの私は、朝起きる前と
外出から帰る前にタイマーで暖房をセット。
あったかい家は「ホッと」します☆
さて、賃貸の物件に長く住んでもらえるには、どうしたらいいか…について
今回は「居心地のいい賃貸」についてのお話です。(by:IC21冨田陽子)
住まいにおいて、人が“居心地がよい”と感じる時、
それはどのような気持ちを表しているのでしょう。
それは、場所と人との関係に、安らぎや落ち着きを感じて、やわらかな心の状態にあるときにいえることではないでしょうか。
住まいにおいて居心地のよさを生みだすのは、
「住みやすさ」に直接影響するハード(建築的・設備的)要素と、
「住みごこち」として感覚的に影響を受ける五感からの要素(色や素材、触覚や嗅覚)と大きくふたつに分けてみることができます。
“テナントリテンションの発想を!では、今回から4回に分けて、
第1・2回ではハード面からは ~間取り~として「住みやすさ」からのアプローチを
第3・4回ではソフト面からは ~色・素材~として「住みごこち」からのアプローチとなるポイントを
ご紹介したいと思います。
長く住み続けて居たくなる、
そして評判がよく、
住んでみたくて空室待ちをされる方がいるような、
そんな「入居者が居心地よく感じる住まいづくり」をあらためて計画してみませんか?
◆ストレスを軽減する間取り
建物の立地、環境や㎡数などにより、ターゲット像はある程度の想定が出来ると思います。
単身、SOHO、ディンクス、ファミリー、シニア、高齢者等、
人生のどのステージにあるかによって住まいに対するニーズが異なる部分もありますが、共通事項として言えるのは、
生活活動にストレスがかからないという事です。
動線計画というのは既にご周知の概念ですが、ストレスを減らす計画のポイントとして“動線”+“収納“を軸にしてスペースを構成する考え方があります。
空間の一部に収納を設けるのではなく、収納スペース自体を一つの小さな部屋として計画するのです。
効果的な例をあげてみましょう。
①玄関を軸に展開する収納
部屋数がある住居の場合、玄関に隣接する個室とのスペース調整により玄関土間収納を計画する方法があります。
靴のまま出入り可能で、室内へも2通りの動線が確保できるとより理想的です。狭小住居では下足収納はトールタイプとして可能な範囲で廊下まで連続して収納量を多く確保できるとよいでしょう。
②水廻りを軸に展開する収納
バス・洗面・キッチンの水廻り動線が、短く・ひとつながりであると、家事効率もよくなります。
付帯して、ウォークスルーできる共有の収納が計画できると雑多になりがちなストック商品もすっきり片付ける事が出来ます。
狭小住宅ではトイレ、洗濯機や冷蔵庫スペースの上部への吊戸を設置する事でストック品の収納に一役買ってくれるでしょう。
◆広さは最低でもこれぐらい確保したい~単身ワンルーム
単身ワンルームでも最低30平米前後あると、家具の配置にも自由度が得られます。
家具の配置が部屋に固定されてしまう狭小のスペースでは、“変えることができない”という違和感(ストレス)が大きなストレスに成長してしまう事も。
壁一面への収納を設けたり、可動タイプの収納を装備すると、住む人が収納家具を新たに用意する必要がなくなります。
配置する家具が少なければ、住み手が自由に使えるスペースにゆとりが生まれます。
次回は『間取』や『採光・通風』などから居心地のよさについて考えます。