テナントリテンションの発想を!~長く住んでもらうための工夫 「安心して暮らせる賃貸~安心して眠れる~」~後篇
IC21のKobayashiです。
9月もそろそろ中ごろだな…と思い
頭に浮かんだのは「中秋の名月」とお団子。
旧暦の8月15日の月を「中秋の名月」や「十五夜」と呼ぶそうですが、
毎年、月の満ち欠けによって日にちは異なり
今年の「中秋の名月」は、10月1日(木)。
お月見&お団子が楽しみですね!
『さて、今回は賃貸物件のリフォームのシリーズのご紹介です。(by:IC21島崎江梨子)
賃貸の物件に長く住んでもらえるには、どうしたらいいか…について
前編では「寝室の防音対策の秘訣」についてご紹介しました。
今回は光をコントロールして快眠についてご紹介します。
光…光をコントロールすることが快眠のコツ
光をうまく活用することが良質の睡眠をとるコツと言われています。
そこでまずは光環境を工夫しましょう。
取付ける照明は明暗をコントロールできるものとし、リモコン付きに。
夜は 50 ルクス程度の照明で床が見える程度とし、朝は自然光が入るようにカーテンを工夫した方が目覚めも良くなります。
そこで起床時に光を適切にコントロールできる「電動カーテン」を採用してみてはいかがでしょうか。
一般のカーテンレールと取り付け方法は同様。
また既存レールにも取り付けることも。
タイマーを組み合わせれば、目覚まし・省エネ(夏は日が差す前にカーテンを閉めて部屋が暖かくなるのを防ぎ、冬はカーテンを閉めて部屋を保温)やタイマーと調光器を組み合わせることで人のいる演出ができ防犯対策にも役立ちます。
質の良い睡眠と目覚めの良い朝で生き生きした毎日を送れることでしょう。
最近では、照明やカーテンなどを賃貸物件でも初めから付帯させることが多くなっているようですが、それらの中で少しでもグレードをアップさせれば、さらなる差別化につながります。
また炎のゆらぎを見ると眠りに入りやすくなると言います。
入居者へのプレゼントとしてアロマキャンドルを用意すると“安眠”賃貸イメージのプラスになりそうですね。
安心できる色合い、素材…快眠に役立つ色彩パワー
寝室の色彩計画において、まず人は床は濃い方が重心が下にあるので安心すると言われています。
そこで色は床→壁→天井とグラデーションで薄くしていくのが一般的。
寝室の壁紙やカーテンはグレー系などベーシックな色柄デザインからアースカラーやパステルカラーといった淡い色でまとめるのがおすすめです。
色味が欲しい方には鎮静効果があり眠りを誘うブルー系や目の疲れを癒してくれるグリーン系などを採用することで落ち着いた空間をつくることができます。
素材としては、近年注目されている自然素材、調湿効果のある珪藻土などの塗り壁は、部屋の湿度を快適な状態にコントロールしてくれます。
また不快な湿気や結露を解消、空気清浄効果も期待できます。
塗り壁だけでなく、最近では同様の機能を持つ機能性壁紙も多く開発されているのでクロスの張替えの際には是非活用されてみてはいかがでしょうか。
「安心して眠れる」というテーマで、インテリアで工夫できるコツをご紹介してきましたが、これらの工夫と併せて、前号の“安全性”という外的要素も見直すことができれば物件価値は大きく上がると思います。
さらに、ターゲットを絞って、女性向けと決めたのであれば、例えば浴室にテレビや音楽を聴きながら半身浴できるバスタブ(→心地よい快眠につながります!)、三面鏡付き独立洗面台、浴室乾燥機、広めのシステムキッチンといった女性のライフスタイルに配慮した水回り設備が充実していたら魅力ですよね。
安全性と生活の充実という付加価値がより長く住み続けるテナントリテンションに繋がるのではないでしょうか。
筆者:島崎 江梨子
インテリアコーディネーター/キッチンスペシャリス
イタリア家具メーカーで主に個人邸のトータルコーディネートを担当。VMD担当としてショールームのディスプレイなども経験。家具・照明・ラグ・カーテン・小物全般のトータルコーディネートを行う。現在は個人邸を中心にインテリアスタイルを問わずコーディネートを手掛ける。