テナントリテンションの発想を!~長く住んでもらうための工夫 「使いやすい賃貸~間取り~」~後篇
こんにちは!IC21のKobayashiです。
梅雨の季節になりましたね。
いつもは「ジメジメの始まりか~」と思うのですが、
今年はいつもと同じ様に時が流れてくれるのが、とても貴重に思えます。
今年もうちのアジサイは白い花をつけ、新入りのピンクのカラーと共に花瓶の中でも楽しませてくれてます。
さて、今回は賃貸物件のリフォームのシリーズのご紹介です。
(by:IC21千葉まき)
前回は賃貸の物件に長く住んでもらえる間取りについて
女性をターゲットにした場合についてでした。
後篇では男性をターゲットにした場合についてです。
【男性・ターゲットには 趣味&ワークスペース】
働き方改革も進み、ノー残業デーなどが推奨されるなど、今までより家にいる時間が長くなった方も多くなったのではないでしょうか。
その流れで、趣味に没頭しがちな男性にとって、ほかのスペースでは代わりがきかないキッチンについて考えてみましょう。
料理好きを公言する男性も増え、テレビ番組では若い男性俳優が料理コーナーの担当をしたり、弁当男子のように職場に弁当を持参する男性がいる時代になりました。
外食をせず仲間のだれかの自宅に集まって、飲み会をする、〝宅飲み〟が支持されるなど、家の中での過ごし方も多様に変化しています。しかし、家で鍋パーティーをしようと思っても、キッチンが狭くては用意も片付けも一苦労です。洗う・切る・煮る・焼くという作業をするには、最低でも150㎝の広さのキッチンは欲しいもの。
一般的にキッチンの高さは、身長÷2+5㎝が使い易いといわれています。女性に合わせることの多いキッチンは、85㎝の高さというのが主流です。しかし、男性にとっては少し低く感じるのではないでしょうか。腰を曲げて作業すると、腰に負担が掛かるので料理好きな男性には、ストレスの一因になります。男性に合わせるなら、キッチンの高さを90㎝にすることでずっと使いやすくなります。(参考③)
また、狭くてもちょっとした仕事スペースが欲しいという男性は多く、例えば押入れを改造したワークスペースの提案(参考④)はどうでしょう。
三方向が囲まれた空間は集中力も増し、まるで秘密基地のようでもあり、男性の心をつかむのではないでしょうか。
最後に、単身者の家事を考えた工夫ポイントとして、広めのワンルーム内に、キッチンと隣接し洗濯機置き場を作った事例(事例⑤)です。
食事の支度をしながら洗濯ができ、洗い上がりにすぐ隣のバルコニーに干すことができます。コンパクトであっても忙しい朝に嬉しい間取りですね。賃貸住宅だからこそできる、思い切った間取りの提案も、これからは受け入れられる時代ではないでしょうか。
また、部屋数の少ない単身者だからこそ、お掃除ロボットを使う方も増えてきたので、コンセントの位置や高さも、間取りの工夫に合わせてより使いやすい位置を検討したいものです。
長く住んでもらうために
現代は、好みも多様化し、晩婚も進み四〇代の未婚率、生涯独身率は目を見張るものがあります。単身者男性は実家か賃貸住宅に暮らすことが多いのも特徴です。つまり単身者の年齢層も幅が広くなってきているのです。
そんな彼らにこそ長く住んでもらえるよう、住む人に合った魅力的な間取りをプランすることや、快適な設備を備えることは、顧客の満足度を上げるのに、とても有効手段となるはずです。
新築、間取り変更リフォームをお考えのオーナー様に、限られた空間でより良い間取りを考える参考材料にしていただければと思います。
筆者:IC21 千葉 まき
インテリアコーディネーター/ホームステージャー1級/整理収納アドバイザー
リフォーム会社での勤務等を経て、フリーのコーディネーター、
片付けコンサルタントとして活動。