IC21のブログ

2020/01/24

空室理由から考える!~デメリットを魅力に変えるポイント  「バルコニーがなく、物干しスペースがない」~後篇

設置場所を考慮し設計
前回は多種多様な室内物干しのご紹介でした。

もちろん浴室換気乾燥機を導入できれば、分譲マンションにもひけをとりません。

ユニットバスを新規交換する際にはぜひ取り入れたい設備ですね。浴室のカビ予防にもなりますから、通常の掃除はもちろん、退去後のクリーニング清掃においてもメリットになるかも。

もし洗面室が多少広くとれるようであれば、洗面室に前述の物干し商品を取り付けましょう。洗面室に窓がなくても除湿器を置けば、広い居室よりも限られた空間の方が除湿による乾燥が早く、さらに洗濯機のそばであれば干すのもラク。(事例⑤)

 

洗面室を爽やかなランドリー風に

事例⑤: 洗面室を爽やかなランドリー風に

 

あとは居室内の窓際。十分な広さがある部屋はもとより、構造上仕方がないとはいえ柱型があり窓際に微妙な空間ができてしまう部屋などでは、その部分をサンルーム風スペースにしてはどうでしょう。床材を明るめのフロアタイル敷などにすれば室内が明るくなり、多少の水滴が落ちても大丈夫です。

 

事例⑥の物件は、都心ビル内の住居で、居室は広くてもバルコニースペースは室外機だらけの物件のリフォームでした。

 

窓際サンルーム風で明るく

事例⑥: 窓際サンルーム風で明るく

 

天井付け物干しはこの後に施工したのですが、物干しスペースというだけでなく“光が入る場所”“解放感”を人は求めます。そういった意味でも、また観葉植物やペットコーナーなど汚れが気になるスペースに気兼ねが不要で、気持ちにゆとりも生まれます。

 

宅配クリーニングとの連携
最後に、なんといっても注目なのが宅配ボックスを使った宅配クリーニングの利用です。
コンビニや宅配ボックスを使って個人がクリーニング業者とやりとりすることもできますが、オーナーさんが宅配クリーニング業者との提携をしていることが事前にわかれば入居者には、大きな特典のひとつになります。

中には、季節外の衣類をクリーニング後に保管してくれる業者もありますから、それらをうまく活用&アピールすれば、室内の収納不足解消にも大きなメリットに。

さらには、例えば月に一度(第〇曜日の〇時~〇時)布団クリーニングの引取りに来てくれるということが決まっていれば、自分で頼もうと思っていてもついつい・・・という人にとって、不燃ゴミ出しと同等な緊張感で清潔環境を手に入れられる=物件をキレイに長く使っていただける住人に喜ばれる物件になることでしょう。

「駅近など他が好条件だから、多少の不便はしょうがない」「1Rや1DKがメインであれば、そこまで重要な問題ではないだろう」と思っていたオーナーさんも、分譲マンションの賃貸化など様々なライバルが急増し、その差別化が求められている近年。小さな工夫と心配りを是非リフォームに取り入れてみてください。

 

 

プロフィール:著者 一瀬 のぞみ
インテリアコーディネーター/マンションリフォームマネージャー

インテリアコンサルタント事務所、中古再生不動産会社のインテリアプランナーを経て、現在はフリーランスのインテリアコーディネーター。個人住宅・共同住宅のリノベーションを中心に、モデルルーム等のプラン提案を行っています。