空室理由から考える!~デメリットを魅力へ変えるポイント「洗面化粧台が独立していない」 ~後編
コンパクトなのに広く使える<洗面+トイレ>
前編では3点ユニットをオシャレに使いやすくする提案でした。
次に浴室は別ですが、洗面とトイレが同じ空間にあるという場合。
洗面とトイレを一緒にすることで、壁や建具の開閉スペースが減り、空間が広くなるのと同時にリフォームのコストも削減できます。特に、水廻りの使用が重なる率の低い単身者~DINKSにとっては、一つ一つが狭いよりもまとめて広く、デザイン性が高い方が好まれる傾向に。
洗面ボウル+ミラーキャビネットの組合せは一体型の洗面化粧台よりも若者に人気です。
事例③は柱型分の奥行きで腰高の収納棚を置くことにより、洗面とトイレを圧迫感なく仕切り、使いやすく工夫しています。また壁一面にアクセントクロスを用いたり、狭い空間だからこそ小物を統一することで自分好みのインテリアにすることもできます。事例④のようにミラーの裏に収納を設ければ使い勝手は抜群です。
事例④ ミラー裏の収納
洗面化粧台を置く場所を考えてみる
ここで少し視点を変えてみます。1か所にバス・洗面・トイレをまとめる3点ユニット、もしくは洗面とトイレを1か所にまとめることのメリットは何でしょうか。一番のメリットは居住スペースを広くとれるということではないでしょうか。
事例⑤はそのメリットを活かして玄関入ってすぐのキッチン廻りをおしゃれにして特別感をだした事例です。照明でライトアップするとまさに見せるキッチンに。事例⑥のように壁一面にタイルを貼っておしゃれな空間にすることもおすすめです。
事例⑤ 玄関前のキッチン
最後に洗面化粧台を置くスペースについてご提案します。一見置くスペースがないように思える場合でも意外なところに置けるケースがあります。事例⑦ではキッチンの後ろに置いていますが、間取りを見直せば置けるスペースが見つかるかもしれません。
事例⑦キッチンの後ろに配置
このように大がかりなリフォームをしなくても少しの工夫で魅力的なお部屋にすることが
できます。
デメリットを活かして他にはないお部屋を作ってみませんか。
【プロフィール】俵谷 知英子
一級建築士・インテリアコーディネーター
ハウスメーカー・ゼネコンを経て独立。住宅・マンションなどの設計からインテリアまで「人の気持ちをあげられる空間づくり」をモットーに幅広く手掛けています。