空室理由から考える!~デメリットを魅力へ変えるポイント「駅徒歩10分以上」 ~後編
『設備面での利便性を高める』
前編では自転車にスポットとあてたデメリットをメリットに変える例のご紹介でした。
「駅徒歩10分以上」の物件ですと、帰宅時間が遅くなることを心配される方も多いはず。
人目が多くない分、セキュリティはしっかりした物件であってほしいものです。
そのような場合、やはり安心なのがオートロック設備です。
集合玄関機から呼び出しがあると、来訪者を映像で確認して通話・解錠が可能ですので、
防犯面ではもちろんのこと、訪問営業をモニター越しに断ることができるという点でも大変便利。
また、不在時の宅配荷物の受け取りも入居者にとってやっかいなことの一つですが、
宅配ボックスがあると便利です。帰宅後に再配達の手配をする必要もなく、直接対面せずに受け取り可能なことから、プライバシーやセキュリティ面においても安心な設備です。
物件検索サイトの「こだわり検索」「絞り込み検索」の条件のなかに「宅配ボックス」という項目があるくらいですから、いまや入居者にとってニーズの高い設備であり、
物件をアピールするのに一役買ってくれるでしょう。
最新の多機能型インターホンはスマートフォン対応をしており、
システムと連動させることにより、不審者の侵入や火災・ガス漏れなどの異常事態、
来訪者の画像、宅配ボックスへの荷物の到着、家族の帰宅を携帯電話にメールで通知してくれる等の機能があります。
とくに帰宅通知機能は、高齢者や子供のいる家庭には大変便利ですので入居者層を広げることも。
また、スマートフォンで帰宅前にエアコンや照明をコントロールしたり、玄関の戸締りや防犯警戒のセット、リセットの操作をできるのも魅力で、
これだけの設備が整っていれば入居者はさらに安心できますね。
『“我が家”に帰ってくるような演出を』
「駅近ではない」ということは、街の喧騒から離れた良好な環境であることが多いものです。
写真③のように、エントランスまでの長いアプローチを植栽と暖かい電球色の外灯で演出すると、
まるで閑静な“我が家”に帰ってきたような、ほっこりした気分になりますよね。
写真③エントランスまでのアプローチを素敵に演出
敷地の条件によっては大掛かりな演出はむずかしいですが、写真④のように個性的な照明を一つつけるだけでも雰囲気は変わります。
愛猫がご主人様を出迎えてくれているようで、帰ってくるのがうれしくなる演出です。
写真④猫の間接照明がお出迎え
共用スペースのある物件では、エントランスを入ったところにシンボリックなデザインのオブジェ(写真⑤)や、おしゃれなラウンジコーナー(写真⑥)を設けると、遠方からの来客にも思わず「素敵!」と喜ばれ、ますます人を招きたくなるような“我が家”になることでしょう。
写真⑤アイアンのレリーフと間接照明が美しいシンボリックな柱
写真⑥おしゃれなラウンジコーナーは寛ぎスペース
<筆者:濱 ひろみ>
インテリアコーディネーター/照明コンサルタント
キッチンプランナーを経て、ホテル・結婚式場の
内装デザイン、賃貸住宅のリフォームプラン、
戸建・マンションのインテリアコーディネートを
手掛ける。