空室理由から考える!~デメリットを魅力へ変えるポイント「北側、日当たりの悪い暗い部屋」~後編
発想の転換で北側の部屋を楽しむ
前回は「色」と「光」の問い入れ方を工夫して部屋を「明るく、暖かく」を中心にいくつかの事例をご紹介しました。
でも、もう少し視点を変えて考えてみる事も必要です。
ヨーロッパでは代々受け継がれてきた家具を修理しながら大切に使うという文化があります。
日当たりの良い南側の部屋では家具が日焼けしてしまう事などから敬遠され、
北側の部屋を好みます。
また、絵や写真が趣味の方には影の変化が少ない北側の部屋をアトリエとして利用する方も少なくありません。
さらに照明やインテリアテイストの一工夫で、暗くて落ち着く、暗くてカッコイイお部屋にしてしまうのはいかがでしょうか。
事例④: 雰囲気のあるヴィンテージスタイルや間接照明
近年、若者に人気のあるヴィンテージスタイルや間接照明(事例④)を使った雰囲気づくり・・・など、次にご紹介する湿気・寒さ対策をした上で、
コンセプトを明確にし、北側を好む方にターゲットを絞ることで入居率を上げることもできます。
湿気・寒さ対策
北側のデメリットである湿気、寒さ対策には窓ガラスに断熱フィルムを貼る等の簡単な方法もありますが、より効果的なのは窓のリフォームです。暖房器具を使ってどんなに暖かくしても、室内の熱を一番逃がしてしまっているのが窓なのです。
そして、冬場になると悩まされる結露も窓から熱が逃げる事でガラスが冷やされるのが原因です。断熱対策として二重窓にする方法やサッシはそのままで窓ガラスだけを複層ガラスにする事ができます。
事例⑤: 内窓のサッシの色でイメージ刷新
事例⑤のように内窓はサッシの色も変えられるのでインテリアのイメージを刷新して、古いサッシは目立たないという利点もあります。
壁を壊すことなく今ある窓枠をそのままに、新しい窓をかぶせて取り付けるだけの簡単な工事なので低コストで、断熱対策済であることを伝えれば借り手側の物件探しのポイントがぐっとあがる事間違いなしです。
このように、北側の部屋でも落ち着いた明るさとぬくもり感のある快適な空間を作る事ができるのです。北側だからと言って安易に賃料を下げる前にプロの手を借りて対策してみませんか。
筆者プロフィール
秋元 明子
インテリアコーディネーター/福祉住環境コーディネーター
ファッション、美容業界を経てインテリア業界へ転身。家具、照明、カーテンを中心としたインテリアコーディネートをショップ及び分譲マンションで展開。現在は主に個人邸のトータルコーディネートを数多く手がける