空室理由から考える!~デメリットを魅力へ変えるポイント「形の悪い間取り」 ~後編
前編では物件をよく見せる仕掛けについてのお話でした。
後編でも部屋の魅力をアップする方法をご紹介します。
まずはカーテン。
部屋の大きな部分を占めるセンスの良いカーテンを使えば、部屋のグレードは一気に上げることができます。
カーテンは引っ越し前の部屋と窓の大きさが違えば使いまわしはきかないのに、できれば引っ越し当日から欲しいもの。そのため、メインの掃き出し窓であれば数万円でつけることもできますのでサービスでつけてあげても決して損のない投資です。
また、計画ができたら履歴書(不動産チラシ)の作成です。手に取った人がぐっとくるお見合い写真と履歴書をそろえましょう。
写真③:プロフィールボードでお部屋の魅力をアピール
写真③は内覧用のウェルカムボードですが、不動産間取りとともにチラシとして利用してもいいですね。
ここまでのコンセプトはなくても「日当たり良好」だけでなく、可愛い観葉植物を入居者プレゼントにして「お部屋の奥まで日差しが差し込み観葉植物も生き生き!」と付け加えたり、立地をしっかり調査して「休日の朝食は隣のカフェで焼き立てパンを!」など良いところを一つでも多く見つけてアピールしましょう。
写真④:3Dイメージでわくわく間取り図
「どう家具を置いたらいいの?」と悩みそうな変形物件なら、間取り図には家具配置を付け加えると良いのですが、写真④のような3Dがあれば尚良し。同じ物件でも、隣の間取りのみの平面と比べれば手に取って見た時のわくわく感はまるで違います。
言葉と画像のアピールで、その物件に住んだらどんなに素晴らしい毎日が待っているかをイメージしてもらうことが次の内覧へとつながるステップとなります。
形が悪いのではなくデザイン性がある!
形が悪い場合は、それを魅力に変えましょう。
一つの物件には一世帯しか住めないのですから、大衆受けを狙えないのであればオンリーワンを狙えばよいのです。世はSNSの時代。「面白いち」まで入力すれば「面白い賃貸」と候補が出るほど、個性的な物件にもチャンスはあります。
写真⑤:あえて変形間取り野面白物件に
写真⑤の物件はきれいな長方形の部屋を「あえて」角度のある壁で仕切り、一見使いにくそうな部屋に生まれ変わりましたが、内覧した入居者は一目ぼれ。
「絶対これに住みたい。」と即決でした。
内覧はお見合い当日、すっぴんはあり得ませんね。お部屋でも同じこと。内覧には最新の注意を払い、できればよい香りのアロマをたいたり、室温を確認したり少しの心遣いで印象も変わります。オーナーさんが付き添うことは少ないでしょうが、仲介業者さんにお願いしたり、当日は一度自分で覗いてみて魅力的に変身した物件を愛情込めて送り出してあげてください。
<執筆者プロフィール>
田村圭子
一般社団法人CIS 代表理事
フリーのインテリアコーディネーターを経て
障がい者福祉に関わる法人を設立。
クリニックや福祉施設を中心に内装工事を請け負う。