「空室理由から考える!~デメリットを魅力へ変えるポイント」30㎡未満のワンルーム・狭い部屋 ~前編
住宅情報サイトの調査によれば、引越ししたいリアルな理由ランキングの第1位が「狭い」こと。
家賃や駅近など優先条件がある中で30㎡未満でも良しとした物件。
決めた時にはクリアしていた条件のはずなのに、住んでみたら狭い=不満になって、引越しの原因になってしまうようです。
では本当に「狭い」ことだけが不満の原因になるのでしょうか。
そもそも「狭いこと」はデメリットなのでしょうか。
今回は、狭くても「住みたい!」と入居者に思わせる物件のアイデアをご紹介します。
デメリットは狭さより、収納力の無さ
入居時は身軽だったはずの荷物も生活をすれば少しずつ増えていくもの。
しまう場所が無ければ部屋は物であふれ、手狭になった気がして部屋への不満が全て「狭い」せいにされてしまいます。
そのため狭い部屋は特に、しまう場所・置く場所を確保することが大事です。しかし、30㎡未満の部屋に造り付けの収納を設けて、床面積をこれ以上減らすのは避けたいですよね。そこで提案するのは「デッドスペース」の有効活用。
床面積は減らさずに収納を確保するといえば「吊り戸」です。取り出しやすさ、圧迫感の軽減にも繋がるので、奥行きは浅くが鉄則です。
そして、吊り戸を取り付けたなら、その下も活用しましょう。ここではハンガーパイプを取り付けて、洋服収納力をアップしました。
最近では部屋干しが当たり前になっていますから、その点でも入居者に喜ばれるポイントに。
また、洋服を掛ける場所が無くて部屋が脱いだ洋服で散乱するという状況を回避できれば入居者の不満は想像以上に軽くなるものです。(写真①)
写真①:つり戸下にハンガーパイプを取り付けた件
ハンガーパイプの他に間接照明を取り付けるのもオススメです。
写真は吊り戸の下ですが、上部に間接照明を付けるのもいいでしょう。
部屋に奥行き感が出て、視覚的に広く見せる効果が期待できます。(写真②)
ハンガーパイプや間接照明のように+αのアイデアが入居者の心をつかむのです。
写真②:つり戸に間接照明を取り付けた例
次に紹介するのは、壁を使った「見せる・置ける・飾れる」収納です。
SNSの普及で、私生活の様子や自分の持ち物をSNSに掲載する人は増加しています。
そのため「しまう」より「見せる=魅せる」場所が部屋の中にあるのは
入居者に喜ばれるポイントに。
それを叶える飾り棚は、可動式の物を選んで、高さや棚板の数に自由度をもたせましょう。
さらに進化させるなら、飾り棚のアクセントクロスをカスタマイズOKにして、好きな色や柄を入居者が選べるのも、+αで喜ばれるポイントになるでしょう。(写真③)