「建物の顔」~外観・エントランス~ 前編
2015年6月、リクシル住宅研究所は賃貸住宅に住む既婚女性を対象に、賃貸住宅への不満に関する調査を行いました。
賃貸住宅を選ぶ必須条件を聞いたところ、
50%の人が充分な水廻り設備ときれいな室内、ベランダ、バルコニーの設置を、
また、30%の人が外壁のきれいさ、20%の人が共同玄関のオートロックと回答。
これらから、室内同様、屋外の建物の美観や設備に対する関心、要求の高いことがうかがえます。
また、一般に男性より女性の方が、見映えや環境にこだわる傾向が強いことが実際の調査から分かっています。
外装や階段を塗り分けた色のアクセントで建物が引き立つ
建物の第一印象を決めるものには、建物の形もありますが、
先ず外壁や屋根などの色ではないでしょうか。
ひどく汚れていたり、周囲の建物になじまず悪目立ちしているとイメージがダウン。
よく見られるアイボリーやベージュ色の外壁は無難ですが、個性に欠けてしまう場合も。
そこで外壁などを再塗装する際に参考にしたい事例Aは、近隣に商店も並ぶ通りに建てられたアパートですが、アイボリーと緑色に貼り分けされたサイデイング壁に、玄関扉のメープル色がアクセントとなり、軽快な印象を与えています。外階段の配色もよく外観とマッチしています。
外装や階段を大胆に塗り分けて、色のアクセントをつけることで、ぐっと建物が引き立ち、おしゃれに見えています。
変わって事例Bは、白壁にシックな板塀が魅力的な外観です。
和風でクラシカルな外観に合わせた、ゴミ収集スペースの目隠し用格子。
シンプルな建物であっても、このようなデザイン性のある目隠しがあると、スッキリもしますし、周囲への心配りも感じられて印象も良いものです。
(事例B:外観とコーディネートされたゴミ収集スペース)
事例Cのマンションでは、ゴミ箱をエントランスに設置。
ゴミ箱がステンレス製で高級感があること、植栽もされていることで、モダンな美観を損ねていません。無造作に置かれがちなゴミ箱ですが、収集スペースを建物の一部として意識することで、全体の印象を良いものに変えられますね。
(事例C:清潔で高級感のあるエントランス周り)