すぐ使える!賃貸だからできるミセ方、ツクリ方「壁に色は当たり前」前編
第2回「壁に色は当たり前」
賃貸物件を魅力的に見せる手段として、壁の一面にアクセントクロスを貼るという方法があります。内覧者がお部屋に入った瞬間に、一番に視界に入ってくるのが壁面です。その壁面に色がついていることでインパクトを与え、物件を印象付けるには、効果的な手段となっています。しかし、この手法も既に一般化してきており、入居者が自分好みのアクセントクロスをセレクト出来るシステムの賃貸住宅も増えてきました。それゆえ、ただアクセントクロスを貼っているというだけでは、新鮮味がなく、内覧者の印象に残りづらくなってきたと言えるでしょう。そこで、一工夫!ただ壁に色をつけるのではなく、一歩上のデザインテクニックをご紹介していきます。
「柄と色の組み合わせにこだわる」
白いビニールクロスを見慣れているオーナーさんには、色の付いた無地のアクセントクロスを貼ることにすら、抵抗を覚える方もいらっしゃるでしょう。しかし、壁紙メーカーには、優れたデザインのアクセントクロスが増えてきています。見本帳で見ると「大きな柄だなぁ」、「カラフルすぎるんじゃないかしら?」と思えるようなものでも、壁の広い面積に貼ってみると、色柄の印象は薄まり、違和感なくしっくりと馴染むものです。
この柄物のアクセントクロスを主役として壁面に貼り、アクセントクロスの柄の中の1~2色を無地のクロスとして周囲の柱や梁に用いると、うるささも感じず、空間が引き締まり、ワンランク上のインテリア空間が生まれます(写真1)。柄物と無地の組み合わせのパターンとしては、トーン(色調)を合わせるという方法もありますよね。
トーン(色調)というのは明度と彩度が似ている色を集めてグループ化したものしたもののことを指します。柄物に使われていない色を無地クロスに持ってくる場合でも、トーンが合っていれば、一体感が生まれ、自然な印象になります。
壁面に彩りをそえるのは、アクセントクロスばかりではありません。キッチンや洗面台の前面の壁には、モザイクタイルがお勧めです。特に、賃貸物件のキッチン周りは、キッチンパネルや単色の100角タイルであることが多いので、モザイクタイルを貼ることでぐっと高級感が増し、他の物件と差別化を図ることができます。
モザイクタイルのメーカーでは、タイルのモチーフの形状とモザイクの中に使う色数、色の配分を自由に選んで、オリジナルパターンを作ることも可能です。モザイクタイルの中の1~2色を、吊戸棚やキャビネットの色にもってくると、統一感があり、デザイン性の高い水回り空間が演出できます(写真2)。このように柄と色を上手に組み合わせると、内覧者に好印象を与えられるだけでなく、写真映えがとても良いので、インターネットでお部屋探しをされる段階から、サイトで目に留まりやすいというメリットがあります。
クロスに関して言えば、海外メーカーの柄物クロスを使うと、国産商品にはない大柄で珍しいデザインが多いので、小さな画像で見た場合でも、インパクトを与えられること間違いなし!です(写真3)。海外商品のクロスはコスト面で若干の割高感がありますが、コストを削減するために、国産メーカーの小柄なデザインのクロスにしたところ、写真に収めた際に無地に見えてしまったという残念な経験もしました。そういった意味では海外メーカーのクロスの費用対効果は抜群であると言えるでしょう。