読めば解かる!デザインリフォームの見せテクとプロの常識「家具」後編
お部屋を広く見せるコツ
次にお部屋を広く見せるには家具をコンパクトにする事は基本ですが、それ以外にもコツがあるので、3つのポイントにまとめました。
「高さのある家具は置かない」
- リビングダイニングになるお部屋には、ダイニングチェアやソファの背もたれの低い物を選ぶ事が重要です。デザインによっては背もたれの高い家具のほうが、高級感があるので選んでしまいがちですが、限られた空間で家具を検討されるなら、背もたれの低い家具がお勧めです。リビングとダイニングの一体感が生まれ、部屋の広がり感を演出することができます。またソファに関しては明るい張地を選ぶと、空間の邪魔をしないので良いです。シックな雰囲気を出したい場合には、ソファに置くクッションやラグで濃い色みのものを選ぶと空間が締まります。
また見落としがちですが、ベッドの高さも、重要です。ベッドは場所を取るので、収納付の高さのあるベッドにすると、圧迫感が出てしまいます。高さを意識して低めのものを選ぶと良いでしょう。
「透明や華奢な家具を取り入れる」
ダイニングテーブルやリビングテーブルをガラス素材にする事で、
床が見通せるので閉塞感がなくなり、空間の広がりを感じます。ガラスの家具は高額になることもあるので、リビングテーブルだけをガラスにしたり、ソファの横に小ぶりで足の華奢なサイドテーブルを置くと良いでしょう。
またワンルームでリビングと寝室の空間を分ける場合は、背板のある本棚等で仕切ると視線が遮られてしまい、空間が狭く感じられます。背板のないオープン棚で仕切ると、棚の奥にも空間の広がりを感じる事ができます。目隠しをしたい部分は、小物や本を置いて、視線を遮ると良いでしょう。
「鏡を配置する」
鏡は店舗で使用されることも多く、空間を広く見せるのにとても効果的です。ただし鏡が大きすぎても落ち着かない部屋になってしまうので、取り入れ方がポイントです。玄関に背の高い収納のある間取りでしたら、扉の一部に鏡を張るのも良いでしょう。リビング空間なら、ソファを配置する壁に絵を飾るように鏡を配置する事で、目の錯覚で鏡の部分に開口があるように思え、一瞬向こう側にも部屋があるのかなと思わせる効果があります。
プラスアルファな家具選び
最後に家具付賃貸を検討されるなら、一番視線の集まりやすいテレビボードに少しお金をかけてあげると、他にはないオンリーワンな物件になるでしょう。
置き家具にすると、どうしても壁との隙間が発生してしまうので、少しでも空間を有効に使用するなら、造り付け家具で、最小限の寸法での家具を作るのも1つの方法です。造り付け家具には、造作家具と、大工工事の家具の2つの方法があります。それぞれのメリット・デメリットを把握した上で検討すると良いでしょう。造作家具は金額は高くなりますが、扉や引き出し等、使いやすい収納をつくる事が可能となります。一方大工工事は現場で大工がつくる為、価格を抑えられますが、引き出しや扉等は作れず、棚や箱などシンプルな家具をつくる場合にお勧めです。予算に応じて検討し、魅力的なリビング空間を演出する事で、お客様の心を掴みましょう!
<プロフィール>
湯浅 梨奈
インテリアコーディネーター
住宅メーカーのインテリアコーディネーターとして照明からカーテン・家具のコーディネートを手掛けている。