読めば解かる!デザインリフォームの見せテクとプロの常識「カーテン」前編
新生活になくてはならないもの。家具や寝具はもちろんですが、カーテンも必需品リストの上位に入る重要なアイテムです。引っ越しまでの慌ただしい数日に間に合わせで買った入居者から、後悔する声を聴くこともしばしば。
カーテンは必需品でありながら、部屋のインテリアイメージを左右するキーアイテム。上手に利用することが空室の成約につながる秘訣です。
■「ただつけただけ」では逆効果。むしろ邪魔な存在に。
デザインリフォームの世界では、カーテンもただついていればいいというものではありません。今以上に部屋が素敵に見えなければ逆効果です。
サイズが合わず無難な色のカーテン
床も壁もきれいなこちらの部屋。でもカーテンは…長さは中途半端で、色は無難なグリーン。すぐに暮らせるという点はいいのですが、やはり間に合わせの印象です。
インテリアが好きな入居者は、これでは納得しないでしょう。
納得しない入居者は、改めて好きなカーテンを買うでしょう。その時このカーテンは必要なくなります。それでも、賃貸住宅である以上捨てるわけにはいかないですね。退去するその日まで、押入れやクローゼットの奥底に押し込まれる運命。
オーナーにとってはせっかくつけてあげたカーテンでも、入居者にとっては貴重な収納スペースを圧迫する邪魔な存在でしかありません。なんだか、オーナーも入居者もお互いに不幸ではありませんか?
■他のアイテムとの相乗効果で印象UP
それでは、どのようなカーテンの選び方をすればいいのでしょうか。デザインリフォームの実例をご紹介します。
先ほど紹介したカーテンにも似た、グリーンのカーテン。同じような色合いなのに素敵に見えるのはなぜでしょうか。
カーテンはここでは脇役。主役は柱です。
このような柱は、部屋の中では邪魔な出っ張りです。インパクトのある壁紙を貼って目立たせるとデザインとして見えてくるので、その邪魔さが気にならなくなります。
カーテンと無地の壁紙は、背景として柱を際立たせています。
このような使い方の時、カーテンはお安いもので十分です。ただし色合を調和させることやサイズを窓に合わせる点など、細かい詰めが仕上がりの印象を左右します。
もう一例ご紹介します。築年数の経った、マンションの一階の部屋です。
欄間付のアルミサッシは機能的ですが、部屋に入った瞬間に古さを感じさせてしまいます。焦げ茶色に塗られた窓枠も、古びた印象を助長。外が明るいぶん室内が暗く感じられ、せっかくのモダンな照明器具もかすんで見えます。
このデザインリフォームでは女性が好むイングリッシュカントリーをテーマにしています。重要なのは、部屋全体でイメージを統一すること。
天井と壁の境目にある廻縁、それから窓枠は白く塗装しました。カーテンと壁紙は、色の相性が大切です。
写真のように下から上にたくし上げるタイプのカーテンは、「ローマンシェード」といいます。光を通す生地なので、部屋を暗くせずに欄間をうまく隠しているのがポイントです。先ほどの照明器具もイキイキして見えませんか?
部屋の欠点を補って部屋を素敵に見せるのがデザインリフォーム。インテリアのセンスに自信がないという方は、プロに依頼することをお勧めします。