読めば解かる!デザインリフォームの見せテクとプロの常識「照明」 1
入居者が引越しをして新しい暮らしを始めるために、まず必要と言われているもの3点は、ガス台、照明器具、カーテンです。つい数年前までは、入居したその日に、いろいろと寸法を測ってまず買出しに行かなければなりませんでしたが、最近はこれらがすでに付いている物件をよく見かけます。IH加熱器の普及にともなって、ビルトインのガス台を設置している物件が増えました。
照明器具やカーテンは、絶対に物件についていなくてはならないわけではありませんが、数ヶ月も空室が続いてしまっている物件で、周辺に同じような競合物件が多く、駅から少し歩くという状況であれば、試しにサービスで照明器具を設置してみる価値はあるでしょう。他物件との差別化を図るために付加価値を付けることは大切なことです。
賃貸物件に引越しをすると、オシャレに住みたくても忙しくて、安くてすぐに手に入る無難なデザインの照明器具を選びがちですが、すでにデザイン性の高い照明器具がついていれば、内覧者の心をグッとつかみます。さらに、カーテンも合わせてお部屋の内装全体がオシャレにコーディネートされていると好印象です。今回は、照明器具を選ぶ時のポイントを紹介します。
◆ターゲットに合わせたオススメ照明器具
デザイン性の高い照明器具がついていると、内覧時の印象がアップします。特に夕方以降の物件案内時には、効果を発揮します。シンプルな部屋に格好の良い照明器具がついているだけでも部屋全体がオシャレに見えますが、照明器具だけを選ぶのはなかなか難しいもの。リフォームをする時には部屋のデザインのコンセプトを決めて、壁や床とも合わせてコーディネートすると、より魅力的になります。まずは物件の立地や間取りからターゲットを決めましょう。学生や単身者の入居が多いワンルームは、大胆なコンセプトを決めて個性的な部屋づくりを目指すと物件の魅力が増します。
女子部屋、姫部屋など、女性をターゲットに絞り込み可愛らしく部屋をつくり込む物件も少なくありません。淡いパステルカラーの室内にキラキラしたシャンデリアを合わせると、女性の心をつかみます。自分でシャンデリアを買うのはなかなか勇気が必要ですが、部屋にすでについていれば、物件のインテリアを十分に楽しんでもらえます。小さな部屋には、あまり華美にならないよう大きさや設置する高さに気をつけましょう。
ライティングレールにスポットライトを数灯設置する方法は、シンプルなデザインで様々なインテリアに合います。白色やグレーでシンプルな壁や床に、黒色のスポットライトを合わせるとハードな印象になり、カッコイイ部屋になります。男性にも女性にも幅広く人気です。
ファミリーやDINKSをターゲットにした、2LDK、3LDKで部屋数が多い場合は、全ての部屋にオシャレな照明器具をつける必要はありません。リビング・ダイニングの目立つところにデザイン性の高いものがついていると見栄えがします。各個室には、シンプルなシーリングか、引掛金具がついているだけでもよいでしょう。成約率を高めるために入居者へのプレゼントといっても、設置するとなると金額はオーナーの負担となることが多いため、リフォーム工事の一環ととらえ無理のないよう計画しましょう。
◆照明計画のポイントとその色
照明計画を考えるとき、既存の配線位置を動かすことは簡単ではありません。新築やリフォームを行う際に、部屋全体の電気配線計画を専門家と行いましょう。スイッチ、コンセント、テレビ・電話・インターネット配線、モニター付インターフォン、給湯器リモコンなどの位置をあわせて考慮する必要があります。壁や床の工事なく、単体で配線を移動したり増やしたりすると、配線が壁に露出することになります。
照明器具を選ぶ時には、その部屋の大きさや形に合わせて選びます。天井から吊り下げるペンダントや天井に長く広がるレールタイプの照明は、梁や柱、ドアや収納扉、エアコン、カーテンBOX、室内物干し、火災報知機などが器具にぶつからないか、チェックしましょう。