読めばわかる!デザインリフォームの見せテクとプロの常識「玄関・廊下」①
賃貸住宅経営の未来は競争が激しく空室率がアップする傾向にあり、賃貸住宅が借り手に選ばれる時代となってきています。建物が老朽化して募集しても入居がない。家賃を下げるなど試みても、厳しい。中途半端な部分修繕に資金投入しても効果はなく、更に老朽が進み空室が増えてしまうといった悪循環に陥ってしまいがちです。
大事なのは、入居者の視点に立ってインテリアを考えること。地域性、ターゲット、趣向、ニーズなどを絞ってどんな生活、ライフスタイルが送れるか、ただ家に帰って寝るだけの空間でなく、暮らしが楽しくなり居心地のいい空間をデザインします。その空間の第一印象を決めるのが、物件の入り口である玄関であり、廊下です。
1.玄関は家の顔
玄関は住まいの印象を決める場所であり、仕事に疲れてほっとする場所でもあります。玄関扉を開けて最初に目につく場所「フォーカルポイント」に個性的な壁紙をアクセントクロスとして貼ります。補強下地材を設置すれば、入居者が好きなようにディスプレイできます。飾り棚などの簡単なDIYをしても良いとし、クリエイティブを楽しんでもらうことで自分だけの部屋をつくれるのも魅力の一つとなるでしょう。
壁紙、塗装の選び方で、空間の印象は大きく変わります。インテリアスタイルを演出する壁紙の柄だけでなく、色にもこだわるとよいでしょう。人間に与える色彩心理効果は大きく、色のパワーを生かして活用することをお勧めします。
・白 家具などが美しく映えます。白さが自分の顔色や姿を引き立てて、内分泌を促し若返らせます。
・ベージュ 筋肉を弛緩させるのでリラックスすることができます。ストレスをなくしてくれる色
・青 寒色系の冷たい色であり鎮静力を持ちます。落ち着きを促し心身の回復力を高めます。
・緑 健康を表し休息を充てる色。目の疲労をいやすだけでなく苦痛と緊張を解きほぐす力があります。
・ピンク 太陽光線はホルモンを分泌する下垂体や松果体、自律神経を刺激し内分泌系を活性化して若返りの効力があります。
・赤 自律神経系を刺激するので血圧を高め呼吸数、筋肉緊張も増大させます。食欲を促す色で生命を活性化させる働きがあります。
色の使い方の例として、玄関、廊下からリビングにつながる壁面にビタミンカラー、ブライトトーンなどを塗装や壁紙で貼り分けするのもアクセントになるでしょう。カラーのバリエーションで体を再生させ、穏やかで気持ちを和らげる効果があり、ストレスで平常状態から低下した器官強める効果があります。
2.壁装材のバリエーションとして
色を施すために塗装する場合は、マグネット塗装や黒板塗装もオススメです。入居者がポストカードを飾ったり、自分で絵や文字を描いたりと、好きなようにアレンジできる壁は、魅力になります。
マグネット塗装 ベース材を塗った後、上から好きな色で仕上げることができます。この壁面に写真、メモ、スケジュール表などマグネットで留めインテリアとして楽しめます。
黒板塗装 塗るだけで黒板のようにチョークで描いても水拭きで消せる塗料があります。各メーカーから色も多く販売されるようになりました。
3.狭い場所での収納の工夫
コート掛けミラーは少しでも衣類など掛けて収納でき便利です。玄関たたきの巾木上からW400×H1500程の大きさで壁紙をはがして圧着張りに施工します。鏡を壁面に置くことで玄関が広く見え照明によって光が反射して明るくなります。コート掛けミラーの上に小さな額絵など2~3枚並べてみるのもよいですね。
玄関は、靴や傘を収納する場所でもあります。収納がない玄関もみかけますが、既製の靴収納を置くだけでも違います。通販などでも安いものが出ていますので、活用するとよいでしょう。予算があれば、収納だけでなく、飾るスペースを設けるのも良いでしょう。開き戸内部の下段に新聞紙など収納するスペースを設けると、かなり入居者目線で喜ばれるでしょう。玄関収納の下は床から300mmほどの空間を作っておけば、ベビーカーを横にして収納することができます。後方に照明が設置すれば床からの間接照明としてもオシャレで雰囲気のある光を楽しむことができます。