実例に見る!内覧者にピンとくるデザイン ~賃貸リフォームデザインのポイント~「SOHO・住宅に対応可能なフルリノベで、ビル1棟を蘇らせる!」~共用部について/後編~
00人の女性インテリアコーディネーターIC21です。
賃貸リフォームのデザインのポイント紹介シリーズ
「SOHO・住宅に対応可能なフルリノベで、ビル1棟を蘇らせる!」
というテーマの共用部について(後編)お話しします。
“「都心の1棟〈賃貸4戸〉ビル」”
**物件情報**
所在地:東京都中央区 (3駅3線 徒歩数分)
・構造/築年/規模:鉄骨造地上3階 /1986年/4戸(他1階部分に、オーナー住居+店舗)
・リノベーション後 賃料:9~14.4万円
・その他:オートロック、宅配ボックス付き。ペット可物件。
[Step 7] 共用部をデザインする
設備は都心エリア単身者の必須アイテムを設置するのみとなった分、デザイン面で付加価値をつけることになった本物件。
先述の通り、共用スペースは広くありません。
通路自体がホールのような印象となるよう、片側の壁にアクセントとなる山吹茶色(山吹色と芥子色の中間色イメージ)の櫛引模様を左官塗装、櫛引方向に流れるように石タイルを施しました。
日本橋エリアのマンションとして、和の要素がありながらモダンな印象を意識し、既存床のグレータイルとの相性がよいカラーと柄をセレクト。
華やぎと落ち着きが共存する空間を演出しました。
ベースとなる壁には、明るく清潔でありながら冷たい印象にはならないようアイボリー色を選び、アクリル系塗装剤をローラーでブリック柄に仕上げました。
ブリック柄の不規則な凹凸が照明によってかすかな陰影を生み出し、少しリッチな印象になります。
階段床には、踏面と段鼻(段差の際部分)一体型の防滑性長尺シートを巻き込みましたが、階段幅が狭く急勾配に感じられる本物件では、ベースとなる踏面は明るめに、段差がハッキリとわかるよう段鼻とのコントラストが強めのものを採用。階段手摺や桁と一緒に、アクセント柱などの塗装も、この段鼻の色味に合わせたダークブラウンで引き締め、階段室に高級感を出しました。
エレベーター無し、SOHO使用可の物件として、各住戸までのメインストリートを丁寧にデザインしたことで、物件全体の価値を高めることになったと思います。