テナントリテンションの発想を!~長く住んでもらうための工夫 「安心して暮らせる賃貸~防犯・防災~」~後篇
IC21のKobayashiです。
降り続く雨の合間を縫って、庭に出ると草木の成長に驚きます。
雑草の成長もすごくて、こちらはげっそり(^^;
雨降りは、しっとりと落ち着いていいのですが、
やはり前向きにすごしていたいもの。
草木の様にみずみずしく、元気に生きたいなと思う私です。
さて、今回は賃貸物件のリフォームのシリーズのご紹介です。(by:IC21田辺仁美)
安心して暮らせる賃貸にするには、どうしたらいいか…
前回はセキュリティについて紹介しました。
後篇では地震対策についてご紹介します。
地震対策
震災の時に転落物があると、怪我をしたり、その後の避難経路をふさがれたりして支障がでることが懸念されます。
入居者が持ち込む置き家具を最小限にすることで、揺れた際の被害を少なくできることが期待できます。
賃貸住宅にあらかじめ作り付け収納が準備されていると、購入すべき家具も少なく済み、そういう意味でも喜ばれます。
持ち家の場合と異なり、賃貸の場合は家具と壁をねじで固定するなどの対策はとれませんので、できるだけ持ち込み家具が少なく済むほうが地震対策上は安全です。
また、防犯のところで触れた窓ガラスフィルムは、地震などの災害の際に飛散防止の役目も果たし、有効です。
火災対策
次に火災対策です。
火事を知らせてくれる設備として火災報知器があります。
これは火災を未然に防ぐものではなく、逃げ遅れて死亡しないための警報設備です。
実際に建物火災の死亡原因の半数以上は逃げ遅れによるものとされています。
火の元といえばキッチンですね。
火災報知器は台所と寝室に設置義務がありますが、最近は居間にも取り付けを推奨する都道府県もあるそうです。
以前は睡眠中の火災を住居内に知らせる目的がメインでしたが、家主が留守中の火災でも、近隣の居住者にいち早く知らせる意図もあり、分譲住宅では全居室に設置する例も出てきました。
火災報知器の単価は比較的お手頃です。また、以前は専門の技術者が設置しなければなりませんでしたが、電池式の報知器が一般的になり、配線工事も不要になりました。
リフォームの際などに設置してはいかがでしょうか。
防災意識の高い賃貸として
近年、日本では様々な大きな災害に遭った経験から、災害備蓄の必要性も叫ばれています。
各家庭で備蓄を心がけることも大切ですが、大型マンションのように賃貸住宅全体で必要な蓄えがあれば、居住者は心強いですね。
賃貸住宅で北側などのためどうしても埋まらない部屋は、思い切って防災用収納庫にしてしまうという手もあるかもしれません。
防災意識の高い物件であることをアピールできます。
防犯・防災中心にお話してきましたが、安心して暮らせる賃貸住宅を目指し、できることはたくさんあるかと思います。
予算や立地条件を鑑みて、少しでも取り組んでいただけたら、きっと差別化につながると思います。
筆者:IC21 田辺 仁美
インテリアコーディネーター/二級建築士
住宅メーカーのインテリアコーディネーターとして年60棟ペースで内装設計に携わる。現在は企業からの依頼のほか個人宅でのインテリアアドバイス、住宅展示場やスクールでの講師としても活動中。