賃貸住宅のセキュリティ②2
こんにちは。IC21です。
この度の「平成28年熊本地震」で被災された皆さまに衷心よりお見舞い申し上げます。
一日も早くライフラインが復旧し、復興への第一歩がスタートできますようにお祈りしております。
被災地では、空き巣の被害が深刻になっているとも伺いました。
今回のブログは前回に引き続き、賃貸住宅のセキュリティについてお話していきたいと思います。
女性の一人暮らしは特に要注意
泥棒は一般的に5分程度で侵入できてなければ犯行を諦める場合が多いといわれています。防犯対策をしても、泥棒はどんどん巧妙になり、それにあわせて防犯グッズは次々と登場するので、また取り付けて・・・と、イタチごっこのようです。完全に入れないようにするというより、入りにくそうな状況にすることが先決でしょう。
エントランスやエレベーター、共用廊下や駐輪場などの共用部には、“監視カメラの設置”が必須です。密室で他人と空間を共有しなければならないエレベーターは、不安感を抱く人も多いので、特に必要といえます。誰かに見られて恥ずかしいと思うよりも、誰かが見てくれている安心感のほうが強いようで、今や監視カメラはどのマンションでも一般的になりました。犯罪者に対しても、「見られている」という精神的な抑制力を期待できます。
多くの人が出入りする共同住宅の場合、鍵を持っている人だけがエントランスから入れる“オートロック”は、住人の安心材料です。しかし、このオートロックは泥棒撃退の第一関門にすぎません。鍵を開けたときに、住人や新聞配達員などのふりをして入ることができるため、自分の家の玄関、窓廻りなど第二、第三、第四関門・・・と、泥棒が犯行を諦めるような物理的もしくは精神的障害物を設ける必要があります。
▲CPマーク
そこで、各住戸の玄関を守る“ドア錠の防犯対策”も重要です。ピッキングやサムターン回し、カム送り解錠やドア錠破りなどによる空き巣侵入を防ぐために、入居者による補助錠やアラームの取付けといった防犯対策だけでなく、ピッキングやサムターン回し対策をした防犯性能の高いCPマーク取得済みの錠や電気錠に交換しておくとよいでしょう。
女性の一人暮らしの場合には、特にセキュリティを求める人が多いようです。一人暮らしであることが外部から見て分からないように、設定した時刻になったらカーテンを閉め、照明を点灯する “タイマー機能付のカーテンレールや照明器具”は、他物件との差別化に役立つでしょう。これらは大掛かりな工事をせずに設置できるものが登場しています。
来客時に使用するインターホンは、宅配業者などと偽り犯罪に至るケースが増えたため、賃貸住宅であっても“モニター付インターホン”が当たり前になりつつあります。最近では留守中に来客の顔を録画しておける機能付も出ており、さらに安心感を求める人には喜ばれるかもしれません。
共同住宅の内部だけでなく、外部にも目を向けておく必要があります。例えば、泥棒が登ってしまいそうな塀には、バラなどのトゲのある植物を這わせたり、侵入できそうな通路には、砂利や踏むと音が鳴る石を敷いたりといった工夫も有効です。泥棒は手間がかかりそうと感じたり、音がしたりする場合にも侵入を諦めるようです。また、外部照明の工夫も効果的です。1階の各住戸のバルコニーや建物廻りの通路に、人が通ったら照明が付く“人感センサー付照明”や、外部のアプローチ部分に、暗くなったら赤外線センサーで点灯する“明暗センサー付照明”などを設置すると、暗がりを作らないので、防犯対策になります。
モノの対策だけでなく、意識も大事!
泥棒に入られないためには、これまでのような物理的な防犯対策だけでなく、オーナーはもちろん、入居者自身にも防犯意識を持ってもらうことが大切です。
ちょっとそこまで買い物に出かけたり、ゴミ出しに行ったりする際にも施錠をするように伝えましょう。わずかな時間だから・・・という思いが、犯罪を呼びます。また、外出時に合鍵をポストの中や植木鉢の下などには置かないように注意しましょう。洗濯物を出しっぱなしで夜遅くまで出かけてしまうのも危険ですので、その点も伝えることをオススメします。
隣人との挨拶も大事です。なんとなく顔見知りになっておくことで、隣人による犯罪も起きづらいはずです。オーナー自らがたまに顔を出して挨拶すれば、入居者同士の挨拶も自然と増えてくるでしょう。入居時点でオーナーが入居者の面接を行い、確固たる保証人のいる場合や会社の借り上げ住宅など身元の明らかな人だけを選別することで、未然に住人による犯罪を防げるかもしれません。不動産業者が新しく入居した若い女性の部屋に無断で入って乱暴の上殺してしまうという痛ましい事件もありましたので、オーナーも犯罪行為に至らせない努力をしておくことが大事でしょう。