空室理由から考える!~デメリットを魅力へ変えるポイント「形の悪い間取り」 ~前編
家を探すときに誰もがまず目を通すのが不動産チラシ。
お見合いでいえば大事な釣書ですが、たいていの不動産図面には、部屋の配置に畳数もしくは平米数が書き込まれ「ふんふん。ここにトイレとお風呂があってキッチンがあるのね・・・。」と、
まさにそれは記号を含んだ平面の図形。
形の悪い間取りは生活のイメージがわかないまま「なんか細長くない?」
「この鋭角って何置けるの?」と、そのイメージだけではじかれてしまう可能性大です。
形に難のある「パッと見ブサイク物件」だからと言ってそこで諦めてひたすら待つだけではいつまでたっても運命のお相手は現れません。
良いところを探し、手を加え、魅力ある「モテ物件」に変えましょう!
それがイイ!と思わせる“仕掛け”が大事
オーナーさん自身はその不細工な物件とじっくり向き合ったことはありますか?
売り込みたいのであれば器量の良い物件よりも手をかけ、愛情をかけてあげましょう。
自分が住みたいと思う部屋に生まれ変わればきっとほかにも住みたいと思う人は現れます。
この部屋の問題点は何?もてない理由は?原因をつかんだら改善策を考える。部屋別支援計画の作成です。
実際に気になる点を書き上げることで漫然としていた問題が整理され、一つずつ解決策を考えていくことができます。
物理的に狭いのであれば視覚を利用するしかありません。
よく使われるのは鏡。映り込む空間で視覚的な広がりを得られます。とはいえダンススタジオのようにやたら大きいものでは落ち着きのない空間になってしまいます。
どの高さにどの大きさでつけるのが効果的か、日中の採光や夜の明かりの映り込みなど、暮らしの動線やくつろぐ場所など具体的に想像しながら決めることが重要。
もう一つは色。色には後退色、進出色というものがあり、暖色系の進出色は迫ってくるような圧迫感があり特にビビッドな色は部屋を狭く感じさせ、寒色系の後退色、中でもややくすんだ色は空間を広く感じさせる効果があります。
ほんの少し色を加えれば、その組み合わせによってはおしゃれになるだけでなく写真①のように奥行きを感じさせることができます。
写真①:寒色系の配色で奥行のある印象に
それでも魅力が足りなければ盛るのも大事。
家具の配置が難しそうな物件であれば、初めから家具を備え付け、
家具付き物件にするのも一つの手。
写真②:変形間取りに合わせた家具を固定
写真②は暮らしの動線を配慮してシステム家具を変形間取りに固定。
不動産表示の平米数はそのままに、抜け感のあるおしゃれ収納が増えました。本格的な造作家具とは違い、通販や流行りのイケアで数万円でお手軽に探せます。
また、後編では部屋の大きな部分を占めるカーテンでのイメージアップについてお伝えします。