デザインと機能のバランスが大事~キッチン~後編
見た目も良く!
前編では賃貸住宅のキッチンでも使いやすさが大切なことをお伝えしました。
賃貸住宅でのキッチンは省スペースのために、廊下を兼ねていたり、リビングや洋室の一部に設置されていることが多いですが、目に入る機会も多いため、デザイン性も重要になってきます。
キッチンも家具やカーテンなどと同様に、インテリアの一部としてお部屋全体のデザインを高めるアイテムです。
キッチンで差別化をはかりやすいのは、キッチンパネルの部分。
ここにこだわると、シンプルなキッチンが簡単に印象的なキッチンに生まれ変わります。
たとえば、カラフルなモザイクタイルをアクセントとして貼るのはいかがでしょうか。(写真3)
そんなに大きな面積ではないため、思い切って目をひくデザインのものを使うことをお勧めします。美しく華やかなモザイクタイルはインテリアの彩りとしては最適な素材です。清掃性を心配される方もいますが、目地の色を濃い色にすると汚れも目立ちにくくお勧めです。
タイルはキッチンパネルやタイルの上から施工することも可能ですので、キッチンを交換しない場合にも使える手法です。キッチン本体を交換しないという場合には、既存のキッチンに少し手を加えるだけでも、随分印象を変えることができます。
(写真3)キッチンパネル部にモザイクタイルを貼った事例
次に既存のキッチンはそのままに、キッチンパネルと扉の色を変えた事例をご紹介します。
(写真4 Before、After)
もともとはアイボリー色の扉にアイボリー色のキッチンパネルという、ありがちな配色のキッチンでしたが、グリーンのキッチンパネルに張り替え、扉はダークブラウンの木目のダイノックシートを既存の扉の上から貼ることにより、ぐっと高級感が増し、スタイリッシュなキッチンになっています。
(写真4 Before After)キッチンパネルと扉の色を変えた事例
こちらもキッチンは交換せずに、リニューアルした事例です。(写真5)
既存の扉を塗装で、吊戸棚はパープル、下台はブルーと、カラフルに塗り分けました。つまみにもこだわり、モダンなデザインのものに交換しています。キッチンパネル部分は、ランダムに入る赤色がアクセントになり目を引くミックスカラーのモザイクタイルを貼りました。
さらに水栓は2ハンドル混合栓から、シングルレバー混合栓に交換。これによりお湯の温度調整が楽になり、キッチンの使い勝手も向上します。
このように細かな部分にることで、キッチンを交換しなくても、コストをおさえながら、機能性、デザインの高い、内覧者の目を引くキッチンを実現することが可能になります。
(写真5 before after)扉の色を塗り替え、モザイクタイルを施工した事例
<筆者プロフィール IC21 大橋 美歩>
一級建築士・インテリアコーディネーター
インテリアコーディネート事務所、リフォーム会社での経験を経て、現在は戸建・マンションのリフォーム、リノベーション、インテリアコーディネートを手掛ける