読めば解かる!デザインリフォームの見せテクとプロの常識「インテリア小物・アクセサリー」後編
壁面ディスプレイは部屋の一面のみに
最後に居室です。賃貸物件は原状回復をして退出するのが基本ですので、初めから壁に棚やフック等がついているととても重宝します。しかしながら、単に棚やフックをつければいいというものではありません。棚やフックが付いている場所が悪いと、逆に部屋が使いづらくなるケースがあるので注意が必要です。ワンルームは特に部屋の入口・収納の位置・部屋の幅・奥行によってベッドを置く場所がここしか考えられないという場合があります。となると反対面に手持ちの背の高い本棚やシェルフを置くことが考えられるので、そこに出っ張った棚やフックがあると部屋がうまく使えないという可能性がでてきます。
どのような手持ちの家具を持って入居してくるのかはわからないので、誰もが使いやすく棚やフックを配置するには必ず部屋の一面のみにとどめなくてはいけません。二面以上に棚やフックをつけるのであれば、あらかじめ家具の配置等を落とし込んだ図面や3Dパースを内覧の際に入居者に案内できるようにしておくとよいでしょう。
次に、どのような棚やフックを選択すればよいかです。今や世間では部屋干しをするのが当たり前で、専用の洗濯洗剤も沢山でています。雨の日・花粉の時期・寒くて乾かない時期・夜に洗濯をして部屋干しをしているというのも決して珍しいことではありせん。そこで、ハンガーパイプをぜひ、おすすめします。ワンルームであれば、60cmくらいでもとても便利に使うことができます。
洗濯物はもちろん、その日に着たアウターをかけて置くのにも役立ちます。洗濯機置場の上部にスペースがあれば、そこに取り付けても良いでしょう。
しかし、居室にハンガーパイプはインテリアとして抵抗があるので、棚(シェルフ)と室内干しバーが一体となって見た目にもシンプルな室内干しシェルフがおすすめです。棚板にハンガーパイプをつけるのもよいですが、その時には壁からハンガーパイプの位置まで20cmは確保したいものです。
このように生活をイメージしながら便利な小物・アクセサリーをつけることによって、前の物件で不便を感じていたことがある住み替えの物件探しをしている方にはとても良い印象の部屋になるでしょう。
求められるのは機能的で且つおしゃれな部屋
ここまでは、入居者にとって快適な生活をイメージできるように小物・アクセサリーの必要性について提案をしてきましたが、最後に内装業者さんに依頼をしなくても簡単にお部屋にデザインを取り入れるのに便利なアイテムを紹介します。
まずはウォールステッカーです。ウォールステッカーにはシール式と転写式があるのはご存知でしょうか?両者は値段的にも違い、シール式だと安いもので100円ショップでも購入が可能ですが、名前の通りシールタイプなので透明でも淵の部分が目立ち、ただシールを貼っただけというチープな感じで雰囲気はあまりよくないです。対して、転写式は縁がないので壁との一体感があり、貼った場所になじみます。また、壁に貼るのもいいですが、シンプルで凹凸のない収納扉や建具に貼るのもおすすめです。
次に、平面的なウォールステッカーに対し、最近では立体的なウォールデコも人気です。木の葉や蝶を一枚一枚壁に貼っていくものです。そのほか、小さなボックスを組み合わせて配置したり、フォトフレームを多用したり、ウォールデコレーションは貼り方や組み合わせ方によって見栄えが違ってくるので、センスの見せどころです。
茶色の床、白い壁といった一般的な賃貸物件でも、あると便利なインテリア小物やちょっとおしゃれなアクセサリーを取り入れることによって、おしゃれで且つ機能的な部屋になり、便利で快適な住み心地を想像できる部屋になるでしょう。
<プロフィール>
加藤 光恵
インテリアコーディネーター・カラーコーディネーター・窓装飾プランナー
フリーのインテリアコーディネーターとして賃貸リフォームのデザインやカーテン・家具のコーディネートを手掛けている。