読めば解かる!デザインリフォームの見せテクとプロの常識「照明」 2
今回は、前回に続き照明に関するお話です。
次に、必要な照度を考えましょう。JISでは「照度基準」が設けられています。照度基準とあわせて、参考までに各室によく使用される器具の種類を挙げました。照度は、数字だけではなかなか分かり難いのが正直なところです。部屋全体の明るさが必要なのは食堂、書斎、子供部屋、洗面室で、その他の部屋では、部屋全体の明るさを保ちつつ必要な箇所に目的に合わせてスタンドなどで明るさを補う使い方が理想的です。実際に器具を選ぶ際には、メーカーの6畳用、8畳用などの表記を参考にしましょう。最近は、インターネットやインテリアショップでも様々なデザインを選び購入することができますが、明るさや光の色、設置方法には要注意。慣れていてもメーカーや販売店に確認することをオススメします。
光の色にも種類があります。昼光色、昼白色、電球色など光によって見える物の色が変わってきます。手元の作業性を重視するならキッチンには昼白色が良いでしょう。
20年ほど前に開発されたLEDは、発売当初より改良が加えられデザインも増え、器具や電球自体の値段が大幅に下がりました。初期投資は少しかかりますが、使用電気量が少なくエコで何よりも寿命が長いため賃貸物件にはオススメです。
◆ワザあり照明で一工夫
ここからは、便利でカッコイイ照明を紹介します。
玄関の鍵を開けて照明スイッチまでが遠く暗くて不便という悩みには、人感センサー付きの照明器具を選ぶと、入った瞬間に照明がつき便利です。柱や壁の建築上の都合で、玄関ドア回りにスイッチを設けられないことはよくあります。また、室内に入ってしまえば玄関に明るさが必要な時間は一瞬です。人感知センサーは一定時間の点灯後は自動に消えますので、消し忘れ防止にもなりますし、大きな荷物を持っている時、小さな子供がいる時に大変助かります。
少し高度な照明計画ですが、間接照明を設置すると、部屋を雰囲気良く見せることができます。造りつけの家具の後ろから、壁や天井を照らすと部屋をグッと大人っぽく高級感をアップさせることができます。先に紹介した、ライティングレールとスポットライトは、器具の真下に光を当てるだけではなく、壁に光をあてて間接照明として使用すれば部屋の印象が大きく変わります。部屋の明るさは、照度そのものよりも壁の明るさで決まるというのが、基本原理です。スポットライトは、入居者の好みに合わせて方向を変えることができますので、居室の照度を保つよう灯数を調整してみるとよいでしょう。シンプルなスポットライトはどんなデザインにも合い、またライティングレールを使用するとライトの可動域が広がります。
まずは、ちょっとオシャレでシンプルなデザインのものから取り入れてみましょう。
島田美知子プロフィール
二級建築士、インテリアコーディネーター、福祉住環境コーディネーター2級。
戸建て住宅の設計事務所、リフォーム会社での勤務を経て、賃貸物件のリノベーション提案に携わる。